転倒は、誰にでも起こりうる身近な危険です。特に高齢化が進んでいる現代においては、よりその影響が色濃くなってきています。転倒の実態として、不慮の事故における死亡者数の割合の中で「転倒転落による死亡者数」は、何年も前から「交通事故での死亡者数」を上回るようになっています。また介護が必要となる理由の割合の中でも、転倒転落は上位に位置しています。
本講座の中では、転倒転落を防ぐために
・人はどうバランスをとって動いているのか
・歩くときにはどのようなバランスのとり方をしているのか
・転倒するときにはどのような形になっているのか
などをご説明していきます。
さらに、参加者の皆さんのバランス能力を簡易に測定するテストを行い、転倒予防に関する意識を高めていきます。
さて、「ロコモティブシンドローム」という言葉をご存じでしょうか?
運動器症候群、通称「ロコモ」と呼ばれるもので、運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態、と定義されています。最近よく聞く「フレイル」「サルコペニア」との比較を交えながら、解説していきます。
加えて、当院で実施している「ロコモ検診」の中で行うテストの一部をご紹介、体験していただくことでご自身の「ロコモ度」に関心を持っていただき、ロコモ予防のための体操を一緒に行います。
みなさまの転倒予防、健康増進の一助となりますよう、わかりやすく楽しい講座を目指して開催しております。一緒に体を動かしながら勉強しましょう。
診療支援部リハビリテーション室副技士長 渡邊 亮