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高周波を用いて病巣を温める治療です。副作用が少なく併用治療の効果を増強します。
古代ギリシャのヒポクラテスの時代から熱でがんを治療できる可能性が示唆されていましたが、確認されている記録では18世紀半ばのドイツのブッシュ博士による丹毒の高熱でがんが消失したという報告があります。
近代の研究によって、がんが41.5℃から44℃の温度で死滅することが解明されました。
本療法は、比較的低い42℃前後の温度でがん細胞を死滅させることができる新しい治療法として、注目されています。
身体の内部にできたがんを非侵襲的に加温する方法として
電磁エネルギーを用いた高周波式ハイパーサーミア装置が開発されました。
熱を加えると、がん組織の血管はいびつで血流が乏しいため、酸素の供給が得られにくく酸素不足になると乳酸が溜まりpHが酸性に傾くため熱に弱くなります。
このようにして腫瘍内に熱がこもり42℃前後になると、どんどんがん細胞が死滅していきます。
温度が上昇すると皮膚や筋肉の血流は急激に増加しますが、腫瘍内(赤斜線)の血流はほとんど増加しません。
このため熱を加えられても熱を逃がすことができずに高温になります。
患部を中心に一対の電極盤で身体をはさみ、その電極間に高周波を流すことによってジュール熱が発生し患部の温度を上昇させる仕組みになっています。
高周波式ハイパーサーミアでは電極間に挟まれた領域にある正常組織もがん組織も一様に加温されますが、人体では体温を一定に保つために熱が加わると血管が拡張して熱を外に逃がす仕組みになっています。
しかし、腫瘍の中を通る血管は正常な欠陥とは異なり熱が加えられても拡張しないので、熱がこもり高温になります。
ハイパーサーミアはこのようながんの性質を利用して、がんだけを加温しています。
脳・眼球を除くすべての部位に適用されます。
がん治療には外科療法、化学療法、放射線療法、免疫療法などがありますが、ハイパーサーミア療法はこれらの療法と併用することによって、それぞれの効果を増強することが可能です。
術前の縮小効果及び術後再発防止
各種薬剤の増感効果
放射線の増感及びがん細胞のダメージからの修復の阻害
各種免疫療法の補完
ハイパーサーミア治療は正常組織にダメージを与えることなくがんの病巣のある領域を治療することができますので、理想的な治療として注目されています。
ハイパーサーミアによる体温の上昇によってリンパ球が活性化し、NK細胞、細胞障害性T細胞、樹状細胞などが増殖し、がん細胞への攻撃性が強まると考えられています。
がん性疼痛の緩和、食欲の増進、体力の回復、発汗による爽快感、気分がよくなるなど、生活の質が向上します。
薬剤の取り込みを良くし、薬剤耐性の発現を抑制します。
放射線の増感効果が得られるので、線量を抑えてがんを制御することが可能です。また放射線が効きにくい癌種に対しても温熱を併用することによって奏功するということが実証されています。
治療に用いる高周波エネルギーの加温作用は一過性で蓄積するような弊害はありません。
まず外来で初診受付をしていただき、適応について検討していただきます。
他の医療機関で治療を受けている方は紹介状を持参してください。
治療準備も含めて約45分~60分です。1クール8回で効果判断をしながら、症状を見ながら進めさせていただきます。
各種健康保険適応可能です。一連につき
令和5年2月治療を開始しました。
Tel. 022-252-1111