
私たちが何気なく行っている「食べる」「飲み込む」という動作。
実は、嚥下(えんげ)には5つの大切なメカニズムが関わっています。
■第1:先行期
食べ物や飲み物を見て、匂いを感じ、「食べよう」と準備をする段階です。
食べ物を認知し、どのように食べるかを考え、選択することもこの時期に行われています。
■第2:準備期
口に入った食べ物を噛み、唾液と混ぜ合わせて、飲み込みやすい一塊にする段階です。
■第3:口腔期
ひと塊にした食べ物を、舌の動きによって喉の奥へ送り込む段階です。
この時、舌はとても重要な役割を担っています。
■第4:咽頭期
「ごっくん」と飲み込む段階です。
誤嚥(ごえん)が起こりやすいのも、この時期になります。
■第5:食道期
飲み込んだ食べ物が食道を通り、胃へ運ばれる段階です。
このように、私たちは食事をするたびに、たくさんの段階を無意識のうちに行っています。
改めて考えてみると、「食べる」という行為が、とても複雑で大切な動作であることが分かりますね。
前々回のコラムでご紹介したトレーニングは、これらの嚥下の段階を維持するためにも必要なものです。ぜひ、日常生活の中で取り入れてみてください。

■今回のポイント:咽頭期と姿勢の関係
今回は、**咽頭期(ごっくん)**に関する大切なお話です。
皆さんは、食事のときに足の裏をしっかり床につけて座っていますか?
飲み込むためには、喉にきちんと力が入ることが必要です。
実は、足が床から離れていると、体に十分な力が入りません。
おトイレで「きばる」時を思い出してみてください。
自然と足を床につけていますよね。
それと同じように、足底は力を入れたいときにとても重要な役割を果たしています。
姿勢を少し工夫するだけでも、誤嚥予防につながります。
ぜひ、今日のお食事から試してみてください。
摂食・嚥下障害看護認定看護師 根岸 久美子
